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山口地方裁判所 昭和53年(わ)51号 判決 1978年9月06日

本店の所在地

山口県宇部市中央町二丁目一二番一六号

法人の名称

有限会社二葉屋

代表者の住居

同右

代表者の氏名

中島牡夫

本籍

山口県下関市中央町二六番地

住居

同県宇部市中央町二丁目一二番一六号

会社役員

中島タミ子

大正一四年八月二七日生

右被告人会社有限会社二葉屋、被告人中島タミ子に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官堀山美智雄出席のうえ審理を終え、次のとおり判決する。

主文

被告人有限会社二葉屋を罰金六〇〇万円に、被告人中島タミ子を懲役六月に各処する。

被告人中島タミ子に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用は、その二分の一宛を各被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人有限会社二葉屋は、昭和四九年二月二二日に設立され、山口県宇部市中央町二丁目一二番一六号に本店を置き、福岡県北九州市小倉北区魚町三丁目三番二号に小倉店を置き、服飾材料の販売等の業務を営むもの、被告人中島タミ子は被告人会社設立当初からの取締役で、その代表取締役には同被告人の夫中島牡夫が選任されているが被告人会社の実質的な経営は被告人中島タミ子においてこれを掌理し、その業務全般を統括している者であるところ、同被告人は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

一、昭和四九年二月二二日から昭和五〇年一月三一日までの事業年度における同会社の所得金額は一、八八五万八、八〇六円で、これに対する法人税額は六八〇万七、五〇〇円であるのに、売上高の一部を除外する等により得た所得を架空名義の簿外預金にする等の不正手段によって、その所得の一部を秘匿したうえ、昭和五〇年三月三一日、山口県宇部市常盤町一丁目八番二二号所在の所轄宇部税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一八万六、九六五円でこれに対する法人税額は三万六、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度の法人税額六七七万一、一〇〇円を免れ

二、昭和五〇年二月一日から昭和五一年一月三一日までの事業年度における同会社の所得金額は一、六二六万〇、二〇六円で、これに対する法人税額は五六三万八、三〇〇円であるのに、前同様の不正手段によって、その所得金額の一部を秘匿したうえ、昭和五一年三月三一日、前記宇部税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一四一万一、四八五円の欠損であって、納付すべき法人税額は零である旨の虚偽の法人税解定申告書を提出し、もって不正の手段により同会社の右事業年度における法人税額五六三万八、三〇〇円を免れ

三、昭和五一年二月一日から昭和五二年一月三一日までの事業年度における同会社の所得金額は一、七九三万七、六二五円で、これに対する法人税額は六三一万四、六〇〇円であるのに、前同様の不正手段によって、その所得の一部を秘匿したうえ、昭和五二年三月三一日、前記宇部税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五八万〇、三一八円の欠損であって、納付すべき法人税額は零である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の手段により同会社の右事業年度における法人税額六三一万四、六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人中島タミ子、被告人会社代表者中島牡夫の当公判廷における各供述ならびに検察官に対する各共述調書(中島タミ子につき二通、中島牡夫につき一通)及び大蔵事務官(中島タミ子につき一一通、中島牡夫につき五通)に対する各質問てん末書

一、被告人中島タミ子作成の「確認書」と題する書面(二綴)

一、藤本由美子の検察官に対する供述調書一通ならびに大蔵事務官(八通)に対する各質問てん末書

一、高辻由美子、三木伸洋、小西秀一、橋本信雄、吉田武司、布上淳、桑原義晴、井上澄夫、森田輝司、石橋半次末兼肇、武田ヱミ子の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、杉本孝二(一七通)、岩崎巌(四通)、山本通泰(三通)、松岡正之、佐々木憲二(一二通)作成の各「調査事績報告書」と題する書面

一、野沢俊勇(二通)、松永博志、松本敏夫、藤本由美子、東晃三、野邑米槌、奥田肇、藤野哲作成の各「証明書」と題する書面

一、松永博志、井上澄夫、森田輝司、石橋半次、藤本由美子作成の各「上申書」と題する書面

一、松浦道男作成の「現金有価証券等現在高検査てん末書」と題する書面

一、蔵田武作成の「在庫商品現在高検査てん末書」と題する書面

一、村上万由美作成の「確認書」と題する書面

一、橋本信雄作成の「答申書」と題する書面

一、伊藤収作成の「株式の異動及び支払配当金額照会に対する回答」と題する書面

一、山口県宇部市長(二通)、福岡県北九州市小倉北区納税課・細川清春、山口県宇部県税事務所長(二通)作成の各「納付税額等の照会に対する回答」と題する書面

一、福岡県小倉財務事務所長麻生元嗣作成の「法人事業税の照会に対する回答」と題する書面

一、宇部郵便局保険課・山本昭夫作成の「簡易保険料の払込状況等の照会に対する回答書」と題する書面

一、山田恒夫、坂本彪作成の各「保険料の払込状況等の照会に対する回答書」と題する書面

一、山田恒夫作成の「生命保険料払込状況回答の件」と題する書面

一、福島央人、重永情子、石川禎士(二通)、渋谷忠義、田中正三、大野株式会社、苧野新吉、松本時男、中村肇森川高志、平山一喜(二通)、小西秀一、(四通)、皆越孝子、嵯峨賢市、木下健三、中村重雄(二通)、青木悟神崎満里子、有松耶須子、木村加代子、株式会社とらのや、須河内るみ子、豊岡力、水門隼友、上田実雄、野尻精一、杉浦春男、堀恵輔、阪田征四郎、中安隆夫、林暢治、上島憲治、居福興郎(二通)、森山広子、掃部綾子、株式会社豊島商店、稲垣某、福喜多通夫作成の各「取引内容照会に対する回答」と題する書面

一、泉弘子作成の丸善ダンボール株式会社小倉営業所備付得意先元帳写(被告人会社関係分)一六葉

一、石川禎士作成の「積立出資金の照会に対する回答」と題する書面

一、宇部税務署長作成の「青色申告の承認の取消通知書」と題する書面(謄本)

一、答記官作成の登記簿謄本

一、押収してある総勘定元帳九綴(昭和五三年押第四四号の1ないし9)、売掛帳四綴(同号の10ないし13)、売掛台帳一綴(同号の14)、仕入帳三綴(同号の15ないし17)、レジ・ノート一冊(同号の18)、棚卸表(集計)比較表一綴(同号の19)、棚卸集計表一綴(同号の20)、法人税決議書綴一綴(同号の21)のうち被告人会社の昭和四九年二月二二日~昭和五〇年一月三一日事業年度分、昭和五〇年二月一日~昭和五一年一月三一日事業年度分、昭和五一年二月一日~昭和五二年一月三一日事業年度分の各法人税確定申告書及びその各添付書類

(法令の適用)

被告人会社の判示各所為は、法人税法一六四条一項、一五九条一項、七四条一項二号に、被告人中島タミ子の判示各所為は同法一五九条一項、七四条一項二号にそれぞれ該当するところ、被告人会社は法人であるから同法一五九条一項所定の罰金刑で処断することとし、被告人中島タミ子につき所定刑中懲役刑を選択し、以上は被告人毎に刑法四五条前段の併合罪なので、被告人会社につき同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で、被告人中島タミ子につき同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重いと認める判示第一の罪の刑に法定の加重をなした刑期範囲内で、被告人会社を罰金六〇〇万円に、被告人中島タミ子を懲役六月に各処し、被告人中島タミ子に対し同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予し、訴訟費用は刑事訴訟法一八一条一項本文により、その二分の一宛を各被告人の負担とする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 中村行雄)

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